Sogitanilog
みんなで会社の行動指針を作りました。
なぜ行動指針が必要なのか?
ビジネスというのは基本的に正解がない世界です。様々な考え方、やり方、捉え方が混在し、許容される世界です。しかしだからこそ、一つの会社がブランドとして際立った存在になるためには、その会社なりの価値観やポリシーや筋の通った考え方が必要になります。
会社のブランドを作るということを今年の目標に活動している私たちですが、より力強いブランドに仕上げるためには、会社の価値観や考え方を明確にし、それに従って自分たちの行動を方向付けることができる「行動指針」が必要であると強く感じました。
どういう行動指針が自分たちにふさわしいか?
行動指針を作るにあたり、まず手始めに著名企業の行動指針を一つずつ見ていくことにしました。100社近くの行動指針を見比べた結果、私たちに必要な行動指針は以下の3つの条件を満たすものでなければならないと思いました。
- 抽象的な精神論ではなく、行動や判断に直結する具体的な内容である
- 当たり前すぎる内容ではなく、私たちの会社や仕事に直結する視点である
- 優しい言葉ではなく、読んだときにショックを受けるような厳しい言葉である
1についてですが、色々な会社の行動指針を見ていると、多角経営している企業ほど抽象的になる傾向があります。サービスが多岐にわたり、様々な国の文化や宗教への配慮が必要になると、具体的すぎる行動指針はむしろ適さなくなるのでしょう。
しかし、10名程度の少数精鋭組織を目指す私たちにとっては、抽象的で、業務に対してどう反映させていいかすぐにイメージできない指針は、自分たちの行動を変えていく強いキッカケにならずに役に立ちません。また、行動指針を少なくまとめようとすると、どうしても焦点が広がり言葉が抽象的になるため、ある程度のボリュームを持ったものでもよいだろう、とも判断しました。
2については、例えば「顧客志向であろう」とか「思いやりを持とう」といったような指針ですね。クライアントありきのビジネスをしている以上、顧客志向なのは当たり前だし、思いやりを持って行動するのは、人としての基本のようなものです。こういう当たり前すぎる行動指針では会社の個性になりえないため、これも外すことにしました。
もし、当たり前な項目がどうしても必要であるならば、例えば「顧客志向」とはもっと具体的にいうとどういうことなのか、ということまで突き止めたような指針でなければならないと考えました。
3は、行動指針を有効に機能させるための見せ方のポイントです。人間には、感情を揺さぶられた状態で触れた情報ほど、意識や記憶に強く残す性質があります。そういう意味では、感情に波風を立てない耳あたりのいい優しい言葉ではなく、むしろその指針を見たときに少し傷ついてへこむくらいの、厳しい言葉でありたいと思いました。
具体例でいうと電通の鬼十則などがこれにあたりますね。まるで上司から強く叱られているような鬼十則だからこそ、伝説的な行動指針として今も多くの人の記憶に残っているのではないかと思います。私たちの行動指針の表現も、これを目指してみることにしました。
行動指針とはブランディングのツール。だからこそ会社のコンセプトと一致すべき。
行動指針を決定する上でもう一つ大切なのが、私たちがなんなのか、という視点です。私たちのブランドが何を強みとし、何を個性とする集団なのか。その答えに結び付く行動指針でなければ、ブランドを築き上げるための行動指針になりません。
会社のブランドタグラインは「ビジネスを実装する少数精鋭Webプロダクション」です。「ビジネスを理解している」×「少数精鋭」×「Web制作のプロ」という3つが掛け合わさっている状態が会社の個性と考えています。
であるならば、私たちそれぞれが「ビジネスを理解したWeb制作のプロフェッショナル」とならなければならず、そのために私たちはどういう価値観で、どういうポリシーを持って仕事に取り組むべきか、ということが指し示された行動指針でなければなりません。
その考えに基づいて作られたのが、以下の「行動指針~ベイジのプロフェッショナリズム」です。
【プロフェッショナルは、行動主義である】
- 行動しないことを正当化するな。行動しないことはリスクであり、悪である。
- 目標をもって行動しろ。目標がない行動は無駄な行動だ。
- この世には、忙しいけど行動する人と、忙しくても忙しくなくても行動しない人の2種類しかいない。忙しいのは当然。忙しさをマネジメントできない時点で怠けているのだ。
- 謙虚さ、慎重さを装って行動しないのは、怠惰な自分を甘やかすだけである。
- 行動するからには他人を動かせ。他人に影響を与えない行動は意味がない。
- 行動の結果をすぐに求めるな。大きな成果ほど行動し続けて手に入るものだ。
- 行動したら目標達成まで簡単に諦めるな。諦めた時点で失敗が決まる。
- 行動の結果を必ず評価しろ。評価基準は目標達成度と他人への影響度である。
【プロフェッショナルは、論理的である】
- 論理的とは、課題→根拠→結論が、無理なく繋がった状態である。
- 「どうして?」「具体的には?」と言われることをいつも想定しろ。それに答えられない結論は論理的ではない。
- 結論はいつも自分から出せ。他人任せにしているから論理的思考が鍛えられない。
- 個人的な好みや経験だけで結論に至るな。それは傲慢で無知な人間のすることだ。
- 根拠は3つ以内にまとめろ。3つにまとめるから話が整理されて伝わる。
- 結論を曖昧にするな。抽象的な言葉で埋め尽くされた結論には大抵実効性がない。
- 論理的であっても自分の感情は捨てるな。感情も根拠の一つ。客観的に評価すべき。
- 相手が理解できる論理を立てろ。相手が理解できない論理は意味がない。
【プロフェッショナルは、自責型である】
- 問題は自分のせいと考えろ。環境や他人のせいと考える人間は成長しない。
- 天気が悪いのはあなたのせいではないが、天気が悪くて気持ちが乗らないのはあなたのせいだ。天気が悪くても成果を上げる方法を考えるのが自責型発想だ。
- ほしい能力が今身に付いていないのはなぜか。「今までそういう機会がなかったから」「そういう仕事をさせてくれなかったから」「忙しかったから」「運が悪かったから」と考えるのは他責型だ。自分の努力不足と考えできることをすぐに実行するのが自責型だ。
- 結果なく努力したと満足するな。望む結果に到達するまでは常に努力不足の状態だ。
- 働きがいや働きやすさは自分で作るものだ。会社や先輩が与えるものではない。
- コミュニケーション・ミスは相手のせいではない。自分の伝え方が悪いのだ。
- 能力が低い人間ほど環境の影響を受ける。愚痴とは自分の無能さを曝け出す行為だ。
- 現在は自分の選択の結果。未来はこれからの自分の選択次第。全て自己責任。
【プロフェッショナルは、リーダーシップがある】
- 誰かが解決してくれると思うな。いつも自分が解決すると思って取り組め。
- その場で解決できることはその場で解決しろ。理由なき後回しはただの怠慢だ。
- 誰かの顔色や行動を見てから動くな。そういう人間は大抵出遅れている。
- いつやっても同じなら最初に動け。人の後を好む人間にリーダーシップは芽生えない。
- リーダーシップのない人間には「待ち」が多い。自ら行動して「待ち」を極力減らせ。
- 打ち合わせでは積極的に発言しろ。黙っている人間には観葉植物ほどの価値もない。
- 主導権を握ることから逃げるな。だからいつまでたっても頼りないのだ。
- いつも自信を持って行動し、主張しろ。自信がない人間には誰も付いてこない。
【プロフェッショナルは、スキルアップし続ける】
- 今まで身に付けた能力だけにしがみつくな。それこそが成長が止まる要因だ。
- 平均的な人間と比較するな。優秀な人間と比較して近づこうと努力しろ。
- 目標は高く持て。低い目標で満足するのは成長しない人間の典型だ。
- 物事の良い面を見ろ。悪い面しか見ず批判ばかりしている人間は、失敗の回避ばかり考えて臆病で非行動的になる。良い面を見るから行動的になり、成長できる。
- アウトプットなき学習は学習にあらず。スキルとは知識量とアウトプット量で決まる。
- プライベートからも学べ。公私を完全に切り分けるキャリアプランは非効率だ。
- 今必要なスキルと将来必要なスキルの区別をつけろ。これを意識できない人間には成長が止まる日がやってくる。
- 将来必要なスキルは大抵緊急性が低く、すぐに行動しなくても問題は発生しない。これが罠である。今の忙しさに負けない人間だけが、将来のスキルアップを手にする。
【プロフェッショナルは、気が利く】
- 自分が話したいことを中心に話すな。相手がより心地よく話せるように話せ。
- 話し相手には関心をもち積極的に質問しろ。相手への無関心は最大の侮辱である。
- 気が利くとは、他人の責任範囲にも関心を示しサポートすることである。頑なに自分の責任範囲しか実行しないのは気が利かない人間のすることだ。
- 相手から質問が来る時点で、その資料やメールは気が利いていない。相手の立場になり、分かりやすく理解できることに徹底してこだわれ。
- 難しいことに長大な説明を加えることは気が利く行為ではない。難しいことをシンプルに分かりやすくすることが、気が利く行為である。
- 常に他人を楽にさせることを考えて行動しろ。自分の仕事の完遂だけを考えるな。
- 他人の気持ちを思いやり、他人の行動に理解を示せ。理解から円滑なコミュニケーションと改善案が生まれる。
- コミュニケーションを定型化するな。定型化は思考を停止し、問題意識を希薄化にする。
【プロフェッショナルは、ユーザ志向である】
- あらゆるコンテンツや機能やデザインがユーザに与えるメリットを考えろ。メリットのないWebサイトは結局ユーザに使われない。
- 考えたメリットを本当にユーザが求めているのか検証しろ。企業や制作者が勝手に思い込んでいるメリットでは成果に繋がらない。
- クライアントの要望が真にユーザ視点か再考しろ。企業視点のWebサイトは失敗する。
- 1pxのズレも0.1秒の違和感も見逃さない洞察力を持て。ディテールの積み重ねがユーザ体験のクオリティに影響する。
- 「ライブラリが」「ブラウザの仕様が」「ソースコードの整合性が」「デザインが崩れる」というのは作り手の都合。制約ありきではなくユーザのメリット/デメリットを基準にベストな解を考えろ。
- 自身もユーザとなって世のWebサイトを積極的に利用しろ。ユーザ経験が浅い人間に優れたユーザ体験を生み出すことはできない。
- 個人的な経験や感想をそのままユーザ体験とするな。大抵は思い込みだ。ユーザ体験とはもっとフェアな視点から見えてくるものだ。
今後は、この行動指針をどう根付かせるか?
というわけで、当初の想定よりもボリュームの多い行動指針になってしまいました。ただしこれを聖書の様に暗記する必要はなく、核となる7つの基本指針を、まずは覚えておければいいと考えています。
- プロフェッショナルは、行動主義である
- プロフェッショナルは、論理的である
- プロフェッショナルは、自責型である
- プロフェッショナルは、リーダーシップがある
- プロフェッショナルは、スキルアップし続ける
- プロフェッショナルは、気が利く
- プロフェッショナルは、ユーザ志向である
その上で、基本指針の具体例を読み解き、その言わんとすることを強く理解し、意識できればいいと考えています。
私も含め、現状はこれらの行動指針に基づいて完璧に実行できているわけではありません。しかしこれを私たちの理想と掲げて日々意識することを習慣化していければ、きっと私たちはWeb業界の平均的な制作会社ではなく、コモディティから抜け出したWebプロダクションになれるものと考えています。
この行動指針を数年間運用してみて、私たちのブランドがより力強いものになるか、試してみようと思います。
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小さい会社で働く14のメリット
うちの会社の今の社員数は5人です。正真正銘の零細企業です。ちなみに僕自身のキャリアは、同期だけで400人以上いる10,000人規模の大企業からスタートしました。そこに4年間勤めた後、10人規模の広告会社(2年)→30人規模の制作会社(4年)→フリーランスとして独立→会社設立ときて現在に至っています。そのため、大企業で働くこと、中小企業で働くこと、零細企業で働くこと、フリーランスで働くこと、いずれのメリット・デメリットもある程度は分かっているつもりです。
実際のところ、働き甲斐というのは、会社や組織や環境の中で自分が何をやるか、どこまで自分の限界を越えられるか、どれだけの人に好影響を与えられるか、というまさに自分自身の問題であって、会社の規模はあまり関係ありません。なのでフリーランスやベンチャーに勤めている人が時に声高に言いがちな、今どき大企業で働くことを希望する若者ってどうなの、みたいな意見にはあまり賛成ではありません。
とはいえ、うちの会社は零細企業。特に採用にあたっては小さい会社に勤めるからこそ得られるメリットを応募者に感じてもらわなければなりませんし、私自身がそれに自覚的でなければなりません。
ということで小さい会社で働くメリットを考えたら、14ほどでてきたので、ここでご紹介します。
1. 小さい会社は自分の影響力が大きい
10,000人の中の1人として働くのと、10人の中の1人として働くのでは、当然一社員が会社に与える影響は違ってきます。社員数が少ない組織ほど、1人の社員の行動や業績が、会社のブランドや売り上げに直に響いてきます。責任が強くなると言えますが、評価されやすいともいえます。この点で最強なのは社員が1人(というか社長)しかいなくて、自分が2人目になれる環境です。会社の半分の存在になるため、起業の経済的なリスクをあまりおわずに会社に影響を与えて会社経営の楽しさを享受できます。
2. 小さい会社は自分好みの環境を作りやすい
自分の影響力が大きいことは、自分の望む職場環境を作りやすくなることを意味します。社員が5,000人もいれば、一社員の都合に合わせて組織や制度を変えることはできませんが、5人だけの会社であれば、一社員の希望をすぐにトップに伝えることができます。合理的な理由さえあれば、すぐに環境を変えることができます。小さい会社では、一社員のモチベーションや能率が業績に直に響くので、各社員が心地よく働ける環境をできるだけ用意しなければならない、という事情もあります。
3. 小さい会社は社内業務が少ない
これは業態や職能、会社の体質などにもよりますが、大きな会社ほど社内業務が多くなる傾向があります。経験も価値観も異なる多様な社員が数多く所属する組織を束ねるには、統一した仕組みやルールが必要になり、それらを維持するための仕事が必要になるからです。社内業務が好きでたまらない人には願ってもない環境かもしれませんが、多くの人は社内業務の多さに不満を感じ、顧客に向き合う本来の仕事がしたいと思います。小さい会社では、このような組織を維持するための仕事が少なくてすむため、本来の業務に集中しやすくなります。
4. 小さい会社は社会に働きかけやすい
社内業務が少ないから、外の世界に向けての仕事をする時間が多くなります。また組織の階層構造が浅く、意思決定プロセスがシンプルなため、自分で決断する機会が多くなり、仕事を通じて自分の考えを社会に発信しやすくなります。大きい会社では社内業務が多くなり、また複数の意思決定権者の承認の元に活動することも多いため、自分の意志で社会に働きかけている感覚が薄くなりがちです。小さい会社は社内で完結できることが少ないため、必然的に外に向かわなくてはならなくなる、とも言えます。
5. 小さい会社は外との交流に積極的
小さい会社は、少ない社内リソースだけでは仕事が完結しないことが多いため、外部の人との繋がりが増えていきます。また会社が小さいことを自覚し、外に向かって積極的に出ていかないと取り残されるかも、と危機感を持っている人が多いため、外部と積極的に繋がる風土があったりします。大きな会社では社内で仕事が完結してしまうことが多く、また社外の人と接するときも、人対人というより、会社対会社の割り切った付き合いという面が強くなりがちで、社外での濃い人脈が広がりにくい傾向があります。
6. 小さい会社は人間関係が良好
小さい会社においては一社員の影響力が強い故に、人間関係で大きな問題が発生すると、致命的な結果を招きます。小さい会社で働く人たちはそのことをよく分かっているため、特に採用では、経験やスキル以上に、社内でうまくやっていけるか、という点を重視します。結果、小さい会社は良好な人間関係を維持しているケースが多いです。大きな会社では現場が採用に深くタッチできないことも多く、人事異動などのアンコントローラブルな要因も重なるため、運が悪いと最悪の人間関係の中で仕事をする羽目になります。
7. 小さい会社は自分が必要とされている感が強い
良くも悪くもですが、小さい会社は人が少ないので、仕事が属人的になりがちです。会社にとって、属人的であることは組織としての脆さに繋がるため、「あなたがいなくても会社は回る」という状況を作らなければなりません。しかし、リソースの少ない小さな会社はそうはなれないので、結果的に「あなたがいなくては会社が成り立たない」となりがちです。会社をサービス提供システムと考えると属人的すぎるのは問題なのですが、働く当人としては、会社に必要とされていることを実感し、周囲の人の感謝や評価を直に感じながら働くことができます。
8. 小さい会社は経営を間近で見ることができる
小さい会社では目の届くところに社長や副社長がいて、これまた良くも悪くもその行動を間近に見ることができます。経営に関する行動には、マーケティング、ブランディング、人事、法務、財務など、ビジネスの本質となるエッセンスが数多く含まれています。これを近くで体験することは、あらゆる職種や職能にとってプラスになるでしょう。一方、大きな会社は現場からは経営的な動きが見えにくく、経営に関与できる立場ではない限り、経営を直に感じることは稀です。それ故に、仕事を近視眼的に見てしまい、近視眼的にキャリアプランを立ててしまう危険性があります。
9. 小さい会社は幅広く仕事を経験できる
小さい会社は分業されていないことが多いです。例えば肩書はデザイナーでも、設計をしたり、提案書を作ったり、営業や人事の役割を担わされたりすることがあります。専門性を追求したいと思う人には好ましくない環境のように思えるでしょうが、隣り合う領域の経験を積むことはスキルに深みを与え、結果的にプラスになることが多いです。一方、大きな会社では分業化が進んでいることが多いです。専門性が追求できる反面、さらなるスキルアップを目指して新たなフィールドに足を踏み入れたいとき、あるいは市場環境が変わってその専門スキルが陳腐化したとき、経験の幅の狭さが障壁となり、次のステップへ進めない、ということが起こりえます。
10. 小さい会社で働くとたくましく生きられる
小さい会社で働いていれば、経営を間近で見ながら、幅広く仕事を経験するので、最悪会社がなくなっても他でやっていけるような能力が身に付きやすいです。大きな会社にいると、その会社の完成された文化(=閉ざされた文化)に依存して仕事をし続けるので、会社が倒産したり、リストラの対象となったりした際に潰しが効かず、収入や社会的地位を大きく下げるリスクが高まります。大企業で働くというのは、変化の激しい今の時代を生き抜くのに十分な変化への適応力を磨くには、ある意味不利な環境であるとも言えます。
11. 小さい会社は良い肩書が手に入りやすい
肩書なんて、と思われるかもしれませんが、肩書によって周囲の目が変わり、自分が携わる仕事の質も変わります。大企業で課長になれる努力で、中小企業だったら副社長になれるかもしれません。課長は、世の中一般の課長イメージで見られ、課長的な仕事が舞い込んできます。中小企業の副社長には、それが例え中小企業であっても、企業のNo.2であると見られ、副社長に相応しい仕事が舞い込みます。そして立場が変われば、スキルやモノを見る目も変わってきます。これは完全に私の視点ですが、異業種交流会に有名な大企業の課長と見知らぬ中小企業の副社長がいて、どちらか一方としかお話しできないとしたら、私は後者の方を選びます。なぜなら自分で意思決定できる立場にいる人の方が経験も豊富で、物事を動かす力や責任も大きい傾向があるため、同じ時間を費やすのであれば、そういう人と話がしたいと思います。そうやって副社長に近い立場の人が集まってきます。このことは、キャリアパスに案外大きな影響を与えます。
12. 小さい会社は自分の力を試せる
小さい会社で働くと言い訳が効きません。例えば「会社が自分の好きな仕事をさせてくれない」などと言おうものなら、自分の好きな仕事ができるように会社を変えられないあなたに問題があるんじゃないの?と言われてしまいます。大きな会社になると、一社員の手におえない問題が様々出てくるので、優秀な人がスポイルされる、という状況が出てきやすくなります。本当に優秀な人はそれさえ乗り越えてしまいますが、大きな組織の力はかなりの手強さです。小さい会社は自分の力で変えられる領域が広いので、ごまかしがきかないとも言えますが、自分の本来の能力をストレートに発揮できるとも言えます。
13. 小さい会社は収入を上げやすい
小さい会社は一社員の貢献度の証明が比較的簡単で、給与の算定方法もシステマティックではないので、会社の業績さえ上げられれば、割とすぐに給与に反映されます。あるいは目標の収入があった時に、その収入を得るためにどうすればいいかをトップに相談し、それに近づく手段をきちんと教えてもらうこともできます。大きな会社でも最近は柔軟な会社も増えてきていますが、一社員の業績への貢献度が図りにくく、また給与システムがある程度確立しているため、ドンと給与を上げるようなイレギュラー処理は難しく、どうしても平均的なところに収まりがちです。
14. 小さい会社は実はリスクが少ない
今まで挙げた小さい会社のメリットが全てを物語りますが、大きな会社だからリスクが少ないとは言い切れません。大きな会社は一見安定していますが、会社もそこで働く人も、大きな社会的変化に対応しにくくなりがちです。小さな会社は心もとなく見えますが、そこで働いていると、自分の力次第で社会的変化に対応できるようになります。例えばJALや東京電力で働いている人は、入社時に今の様な状況を予想できたでしょうか。その状況を一社員の努力で回避できたでしょうか。そこでリストラになった時に、外の世界でもたくましく生きていけるでしょうか。これはタイタニック号と手漕ぎボートの関係によく例えられますが、巨大氷山が次から次へと流れてくるこの時代に、タイタニック号と手漕ぎボートのどちらに乗り込む方がリスクは少ないでしょうか。正解はありませんが、大きな会社に勤める時には、そのリスクを十分に考えて、自分の立ち振る舞い方を決めておく必要はあるでしょう。
まとめ
というわけで、小さい会社で働くのも決して悪い選択ではない、ということが少しでも伝わればうれしい限りです。もちろん、人と同じように会社にも個性はあります。上記のような小さい企業のメリットのいくつかをあわせ持つ大企業もあれば、小さい会社でもボスが激しいワンマンで大企業並みに窮屈な会社もあります。しかし、傾向としては、小さい会社には上記のようなメリットがあると言えるのではないでしょうか。
ただし、これら14のメリットを、本当にメリットとして享受するには一つ前提条件があります。それは「主体的に行動したい人である」という条件です。できあがっている組織やブランドに乗っかりたい、優秀な人にあやかりたい、誰かに引っ張ってもらいたい、自分は何もせずできるだけ楽して生きていきたい、という考えの方には、上記のメリットの多くは、むしろデメリットとして降りかかってくることでしょう。
結局、小さな会社で働くことが良い経験になるか、悪い経験になるかは、その人次第です。自分がイニシアチブを握って自分の仕事やキャリアを築いていきたいと強く思っている人は、会社が大きかろうが、小さかろうが、どちらの経験もうまく活用して力強く生きていけます。であるならば、働く会社を選ぶときには、会社の規模にはあまりこだわらず、自分のしたいこと、楽しめること、将来のビジョン、そしてその会社と自分との相性を優先して、会社を選んでいっていいのではないかな、と思います。
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ただいま、会社のブランドを作り直しています。
お客様向けにネット上のブランド戦略を真剣に考え、提案することは日常的に行っていますが、では自社のブランドを同じくらい真剣に考えているか、と言われるとそうでもないところもありました。また今現在、株式会社ベイジのブランド=私のブランド、という面が非常に強いですが、組織として確立するためには、そこから脱却して本当の意味で会社のブランドを立ち上げなくてはならないとも感じています。
そこで、会社のブランドを再構築することを今年の目標として年初に掲げました。
やることといえば、ブランド理論や書籍で語られていることを割と素直に実行していくだけだったりします。ただ、当然知名度のあるメジャーブランドと同じ方法論でいけない部分や、差別化ポイントが見えにくいサービス特性、経済規模の小さいビジネスモデルなど、自社がポジショニングしている環境やビジネスの特性を考慮して、一般的なブランド理論を当社なりのものにカスタマイズしなければなりません。
現在は以下のようなコンセプトに基づき、ロードマップとアクションの洗い出しを行っています。

円の内側が社内で行う活動、円の輪郭上にある青い円が主なコンタクトポイントです。インターナルで組織の再編を行ってブランド基盤を強化し、コンタクトポイントを通じてエクスターナル・ブランディングを継続的に行っていく、というのが基本的な考え方です。
組織強化のためのインターナルなブランド活動として、具体的には以下のようなアクションを実施します。
目標の統一
何のために働くのか、なぜ上を目指さなければならないのか、という基本的なビジョンを全員で共有。全スタッフが本心から望み、行動できる、仕事を通して実現すべき目標を明確にします。これがブランド再構築のもっとも重要な起点と考え、年初に真っ先にディスカッションを行いました。
- それぞれのスタッフの働く価値観の確認(済)
- 自分が置かれている環境とリスクの把握(済)
- 仕事を通して解決しなければならない課題の明確化(済)
- 仕事を通じて達成しなければならない目標の決定(済)
- 目標達成の指標の設定(済)
- 目標達成時期の設定(済)
ブランドメッセージの再定義
社内向けの目標を元に、強みや今後ポジショニングすべき領域、競合や業界動向など、SWOT的な観点で会社を客観的に把握し、対外的にアピールすべきブランドメッセージの決定に繋げていきます。
- メインターゲットの再確認(3月)
- 競合他社ブランドの調査・分析(3月)
- 自社のSWOT分析(3月)
- ブランドパーソナリティの設定(3月)
- ブランドベネフィットの再定義(3月)
- ブランドメッセージの決定(3月)
サービスの再定義
ブランドメッセージ定義で検討した強みなどに従い、提供サービスのフォーカスを行います。現在のベイジのサービスラインアップは多すぎて、訴求ポイントがぼやけて、何でも屋のようにも見えます。ブランドコンセプトに応じたサービスの取捨選択を行い、より密度の高いブランドイメージの確立に繋げます。
- 3つのサービスへの絞り込み(3月)
- 各サービスのターゲット・ニーズの明確化(3月)
- 各サービスのUSP(ユニーク・セリング・ポイント)の明確化(3月)
- 各サービスの市場規模の調査(3月)
- 各サービス名称の決定(3月)
価値観の共有
ブランドイメージ、再定義したサービスメニューを実行するために必要な価値観、哲学、こだわり、思い、自分たちのあるべき姿やパーソナリティを明確に描き、会社として大事にしたい価値観を共有します。
- 行動指針の定義(4月)
- 社内ルールやマニュアルの整備(4月)
- 定例社内ディスカッションの実施(開始済み~随時)
知識の共有
ブランドイメージやサービスの要となるスキルを改めて洗い出し、整理します。獲得すべきスキルを明確にしたうえで、個々人の経験の違いを吸収する社内のシステムや制度を整備し、日常業務の中で自然と層の厚い強靭なチームが作れる基盤を作り上げます。
- スキルリストの作成(4月)
- 社内勉強会の実施(済・随時)
- Webビジネスマニュアルの作成(4月)
- 推薦図書リストの整備(4月)
チームビルディング
チーム構成を改めて整理します。大企業のような多様性を前提としたフラットな組織ではなく、職種、スキル、価値基準などを一定の幅の中に押さえた縦に長い同質型鋭角組織を目指します。
- 4~12人体制時におけるチーム編成のアウトライン決定(済)
- チームの起点となるコアメンバーの明確化(今年中)
- チームリーダーに求められる資質の明確化(4月)
- 採用基準の整理・再定義(3月)
評価指標の再構築
共有した価値観、獲得すべき知識、チームのあるべき姿に基づき、社内の評価制度も再編します。ブランドコンセプトと一致する評価指標こそが、会社のブランドを根底から支える基盤になると考えています。
- ハードスキルシートの再定義・共有(4月)
- ソフトスキルシートの再定義・共有(済)
- 目標設定シートの再定義・共有(4月)
- 定例面談の実施(済・随時)
一方、コンタクトポイントで行われるエクスターナルなブランディング活動は、以下のように考えています。
Webサイト
新しくなったブランドメッセージとサービス内容に合わせてWebサイトを再設計し、コンテンツ、デザインも含めて全面リニューアルします。ネット上のブランド活動における最大のハブとして機能させることを目標にします。
- リニューアル(5/1目標)
ブログ
ブログの役割を再定義します。特に検索エンジン、ソーシャルメディア、Webサイトとの関連をさらに強化し、理想的なブランドネットワークを意識した運用を行っていきます。
- ブログの更新コンセプトの明確化(4月)
- デザインおよびナビゲーションリニューアル(5/1目標)
ソーシャルメディア
プロスペクトカスタマーの囲い込み、既存顧客とのエンゲージメント強化に、ソーシャルメディアを最大限活用します。ソーシャルメディア上の全スタッフのアカウントをブランドディビジョンと位置付けて、顧客に対して「役に立つ情報」を提供し、セルフブランディングを通じてのコーポレートブランドの確立を目指します。
- ソーシャルメディア上での活動方針の決定(4月)
- 全スタッフでの「役に立つ情報」の定期発信(5月~)
- Facebookページのリニューアル(5/1目標)
自社サービス
年に1回自社サービスを立ち上げる活動を、ブランドの中心に据えます。各サービスを積極的にアピールするとともに、その取り組み自体を公開してブランディングに活用します。
- iPhoneアプリのリリースと告知(5月?)
- MEGAROCKのリニューアルと告知(7月)
- 次期サービスの検討会発足(4月~)
外部サイト
外部のサイトでの露出方法も再検討します。特に会社のチームビルディングの要となる採用関連のサイトでは一貫性のあるメッセージを掲載し、ビジョンをともにできる人財の獲得を目指します。
- 採用サイト上での訴求方法の変更(3月~)
- ニュース系/メディア系サイトへの寄稿(継続検討)
イベント・交流会
当社のブランド戦略はデジタルコミュニケーションが軸となりますが、いかにO2O(オンライン・トゥ・オフライン)に繋げるかこそが、その効果を最大化する重要なポイントだと考えています。リアルに人と出会えるイベントや交流会への参加を重視し、今期より積極的に行っていこうと考えています。
- 月2回以上のイベント・交流会への参加(継続)
- 年間4回以上のイベント・交流会の実施(継続)
- Webクリエイターズ・アライアンスの企画(5月~)
- ソーシャルランチの活用(5月~)
顧客折衝
既にお客様となっていただいている方に高いサービスとバリューを提供することこそが、ブランド強化の一番の近道と考えています。Web制作というサービスの質的向上は当然のことながら目指しつつ、会社全体のイメージに影響を与えるような、これまでと違った見せ方や表現を試みます。
- メールの署名・フォーマットの刷新(4月)
- 名刺のリニューアル(4月)
- 顧客対応マニュアルの作成(4月)
このような変化を加えることで、いつ、どのくらいの成果が出る未知数です。ただしこれらのアクションを一つでも多く実施していくことで、私たちが抱えている課題のいくつかは確実に解決し、スタッフが理想とするエクセレントカンパニーに少しでも近づくものと確信しています。またこのような自社を使ったブランド構築の経験は、クライアントへの提案にもよいフィードバックをもたらすことでしょう。活動期間は2012年いっぱいまでを考えており、5月頃から順次目に見える形で変わっていくと思います。
ちなみにこのプロジェクト、私が一人でやっているわけではなく、全社員で行っています。全てのアクションはディスカッションベースで決定しています。というわけで、私たちと一緒に会社のブランドをつくりながら、充実した自分の人生もつくっていきたい、という方の参加も大歓迎です。当社の採用ページからふるってご応募ください。
引き続き株式会社ベイジを、よろしくお願いします。
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Webサイトでの正しいブランディングと3つのベネフィット
Webサイトのリニューアルを担当する際に「Webサイトでブランドイメージをもっと伝えたい」と依頼されることがよくあります。では「Webサイトでブランドイメージを伝える」というのは、一体どうすることなのでしょうか。
ブランドイメージとは本来企業が持っているものではなく、顧客の心の中に作られるものです。そのため厳密には、企業から「Webサイトでブランドイメージを伝える」ということはできません。企業ができることは、「Webサイトを見た顧客の心の中に、企業が望んでいるイメージに近いブランドイメージを描かせる」ということです。ブランドイメージがそもそも顧客の中に存在するものである以上、主導権は顧客にあり、企業ができるのはそこに影響を与えることだけです。
そのため、顧客の心を無視し、企業にとって都合のいいイメージだけを一方的に発信する、というのはもってのほかでしょう。企業側が勝手に望んでいる「かっこいいデザイン」「おもしろいコンテンツ」のWebサイトを短絡的に押し付けることなどは、まさにそれにあたります。そのような視点では顧客の中にブランドイメージを醸成させることはできません。
ブランドを構成する3つのベネフィット
では、顧客がブランドイメージを心の中で形成するのは、どういう瞬間におこるのでしょうか。それはコンタクトポイント(ブランドとの接点=この場合Webサイト)で、該当のブランド(製品やサービス)が持つベネフィット(便益)を自分のこととしてうまく感じ取れた時、と考えることができます。ベネフィットとは、顧客にとっての便利さや効能などの機能ベネフィット、顧客に好意的な感情を抱かせる情緒ベネフィット、そのブランドを所有することが顧客の自己アピールになる自己表現ベネフィットの3つです。

これらの3つのベネフィットは、いつも同じ配分で存在しているわけではありません。例えばiPhoneは、使いやすい、高機能、アプリが多いという機能ベネフィット、楽しい、ワクワクするという情緒ベネフィット、持っていると自慢できる、新しいものに強いように見られる、などの自己表現ベネフィットの全てが、どれもそれなりの強さで備わっているブランドです。
一方、高級ラグジュアリーホテルの頂点に立つといわれるリッツカールトンのベネフィット構造はどうでしょうか。立地の良さの便利さ、アメニティの充実といった機能ベネフィットもないわけではないでしょう。しかし、ホテルの持つ高級感・上質感や快適さなどの情緒ベネフィットと、そこに宿泊することで得られる自己表現ベネフィットが強く作用しているブランドではないでしょうか。有名な接客サービスも、機能ベネフィットというよりは情緒ベネフィットを強く訴えかけるものといえます。
消費者金融のサービスなどはより極端な構造です。自己表現ベネフィットは限りなくゼロに近く(人に自慢できるものではないため)、情緒ベネフィットも最低限の信頼感というレベルで、返済方法などのサービス体系や借りる/返済するといった際の気軽さといった、機能ベネフィットにかなり偏ったブランドではないでしょうか。
もちろんこれらのベネフィットの構造は厳密には一人一人の心の中で違ってきます。そのため、多くの人にどのようなイメージを持たれるべきか、という根本的なブランド戦略がまずは必要になってきます。
その上で、Webサイトでは特にどのベネフィットを重点的に顧客に伝えるのか、という役割を明確にしなければなりません。役割の明確化がしっかりしていれば、Webサイトの戦略、掲載コンテンツ、そしてデザインも自ずと決まり、企業側が望む「Webサイトを見た顧客の心の中に、企業が望んでいるものと近いブランドイメージを描かせる」ということが可能になってきます。
機能ベネフィット重視のWebサイトの具体例
では、ここから具体的なWebサイトとブランドベネフィットの関係を見ていくことにしましょう。ちなみにこれから紹介するそれぞれのブランドのベネフィット構造は、単純に私が感じているイメージです。また考え方をわかりやすく伝えるために、意図的にシンプルにまとめている部分もあります。実際の企業との折衝では、ヒアリングや市場調査などを踏まえたうえで、もっと入念に定義されなければならない、ということは言うまでもありません。
というわけで、まずはユニクロのWebサイト(ECサイト)をご紹介します。一連のCMなどを見ていると、最近のユニクロは情緒ベネフィットを強く打ち出しているブランドのようにも見えますが、基本的には機能ベネフィットが強い商品群が多く、購買プロセスが進行すればするほど、本来の強みである機能ベネフィットの訴求が大切になってくるブランドではないかと思います(右図)。

ECサイトという購買ファネルの最終段階に位置しているWebサイトの役割も、この機能ベネフィットの訴求が色濃く出ています。例えば、この記事を執筆している現在展開している特集の「カラーアンクル」のページなどもまさにこの作りです。
美しい写真で当然の様にビジュアルにも細心の注意が払われてはいますが、コンテンツとして重視されているのは、やはり商品の機能性です。「丈とディテール」「超細身のシルエット」「さわやかなはき心地」「ラクなはき心地」「なめらかな肌ざわり」という機能性訴求が中心で、タイル状に敷き詰められたバリエーション紹介も「選択肢が豊富」という機能ベネフィットを訴求したものです。これら機能ベネフィットから関心を高め、好意的なブランドイメージを確実に形成したユーザは商品をクリックし、詳細ページでさらに細かい機能特長を把握して購買を正当化して、商品を購入することができるようになっています。
ユニクロのWeb上でのブランド戦略といえば、UNICLOCKのようなグローバル・ブランディングを意識した非言語なリッチコンテンツが有名ですが、一見、普通に見える情報構造・レイアウトのECサイトにも、ユニクロブランドがしっかりと受け継がれています。このようにブランドの持つベネフィット特性とWebサイトが果たすべき役割が明確にされているからこそ、一貫したブランドイメージを顧客の心の中に築くことができるのでしょう。
情緒ベネフィット重視のWebサイト
一方、機能ベネフィットよりも、情緒ベネフィットを強く伝えるタイプのWebサイトも存在します。ここではLEXUSの新しいGSシリーズの魅力を伝えるスペシャルサイトを例にあげてみましょう。まずはこのWebサイトの意味を読み解くために、ユニクロと同様に、購買プロセスにおける各ベネフィットの重み付けの構造を推測してみました(右図)。

このスペシャルサイトでは「心、動かす力」というまさに情緒的なキャッチコピーに導かれて、美しい車体の写真がトップに表示されます。開発者インタビューのタイトルも「本能を揺さぶる魅力を」「感性に響く走りを」「存在感を放つ次世代レクサスデザイン」と徹底的に情緒に訴えかけるコピーが並んでいます。一方の機能ベネフィットに関わる情報は「New GSの魅力」というコンテンツの中に収め、ここから別サイトへ遷移させてしまっています。機能的な側面のフューチャー度は明らかに小さいです。これは、このスペシャルサイトを訪問する顧客においてはまずは情緒ベネフィットの訴求が重要であり、それこそがサイトの主な役割と定義されているからでしょう。機能ベネフィットは、購買プロセスがもっと進んだユーザに訴求すればいい、という割り切りです。
さて、このような派手なスペシャルサイトを紹介すると、情緒ベネフィットを伝えるためには写真を大きく使ってイメージ訴求をするほうがいいと捉えられがちですが、必ずしもそうでもありません。例えばサントリーの伊右衛門は情緒ベネフィットの強い商品ですが、Webサイトはイメージ訴求ばかりではありません。むしろ「茶葉へのこだわり」「製法へのこだわり」といったテキスト主体の情報もふんだんに提供されています。
一見機能ベネフィットを訴求しているように見えますが、その内容は伊右衛門が持つ情緒ベネフィットを補完する情報提供になっています。このように、情緒ベネフィットを正しく伝えるためにはビジュアルで派手に訴求すべきと単純に考えるのではなく、該当のブランド特性や訴求内容を踏まえて、適切な表現方法を考えていく必要があります。
自己表現ベネフィット重視のWebサイト
広告などで自己表現ベネフィットを伝えるには、機能ベネフィットや情緒ベネフィットを組み合わせて所有した喜びを感じさせるということになるのでしょうが、Webにおいては、他のメディアとは根本的に違う自己表現ベネフィットの活用方法があります。それがソーシャルメディアです。
ソーシャル上に乗ってくる各ユーザのつぶやきはまさに自己表現そのものであり、ここにブランドの自己表現ベネフィットをうまく乗せることができれば、ブランドを物理的に所有することなく顧客の自己表現ベネフィットを満たし、好意的なブランドイメージが広がっていくキッカケを作ることができます。
ソーシャルメディアを活用して自己表現ベネフィットを表現したサイトが、無印良品にありました。無印良品には、クセのないナチュラルなデザイン、高品質でありながらリーズナブルといった機能ベネフィット、安心、快適、信頼といった情緒ベネフィットのほかに、「MUJIが好き」「MUJIを使っている」ということをアピールしたくなるような自己表現ベネフィットが強く備わっています。これをうまく活用したのが、MUJI LIFEです。

MUJI LIFEの利用には、Facebook、Twitter、mixiのいずれかのアカウントが必要です。これらのアカウントを使ってログインすると、自分の棚が作れるようになります。ここに無印の商品を並べて、友人にシェアすることができます。How Toページには「自分らしい棚をつくって、棚を友だちに自慢しましょう。」とありますが、これこそがまさにブランドの自己表現ベネフィットと直結した機能です。今話題のゲーミフィケーション的な特性も、この自己表現ベネフィットと相乗効果となって顧客のモチベーションを高めることが予想されます。
MUJI LIFEのようなコンテンツを作るには相応のブランドパワーも予算も必要ですが、魅力的な読み物コンテンツとシェアボタンを置くだけでも、ソーシャル上での自己表現に繋げることができます。自己表現ベネフィットが強く存在するブランドは、ソーシャルメディアの有効活用を検討してみるとよいでしょう。
大事なのは、顧客に響くベネフィットを伝えること
機能ベネフィット、情緒ベネフィット、自己表現ベネフィットのそれぞれについて、具体的な事例をご紹介しましたが、大切なのは、「顧客がWebサイト上でそのブランドに何を求めているのか?」という視点です。機能ベネフィットが強いブランドであるのに、情緒ベネフィットを訴える表現のコンテンツを提供しても、顧客には何も響かないでしょう。またあるブランドが情緒ベネフィットが強いブランドであったとしても、Webサイトで顧客が求めるのが機能ベネフィットにもとづく情報提供であるならば、機能ベネフィットに力を入れたコンテンツ展開をすべきでしょう。今話題のソーシャルメディア対策も、ブランドに自己表現ベネフィットが希薄で、顧客がネット上でそのようなベネフィットを求めていないとすれば、無駄な投資になってしまうでしょう。ブランドが持っているベネフィットの特性とネット上での顧客の視点を等間隔で見定めながら、Webサイトやコンテンツの正しい方向性を検討していかなくてはなりません。
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スマートフォンを仕事にするSMARTPHONE WORKSに参加しました!
- 2012-02-06 (月)
- お知らせ
FICCさんが運営しているMOREWORKSといえば、Webクリエイターのための求人情報サイトとして確固たる地位を確立している有名サービスですが、その姉妹サイトもいえるスマートフォンに特化したマッチング&求人サイトSMARTPHONE WORKSが、2/3に公開になりました。
見ての通りアップルのOSを思わせるクリアでスタイリッシュなインターフェースで、優れたデザインのWebサービス事例としても非常に興味深いサイトです。聞いた話では、デザインからシステム実装まで全て福岡さんがされたとのことですが、おそろしい・・・。
それはさておき、当社でもスマートフォンサイト構築の引き合いが急増しています。昨年だけで4件ほどのサイト構築に関わらせていただきました。(いずれも契約上公開できないのが残念)
スマートフォンサイトには、PCと違ったデバイス上の制約が色々あります。CPUのスペックも低く、表示領域も狭いですし、タップというインターフェースそのものの違いもあります。一方でHTML5がスタンダードになっているなど、技術的にはPCサイトよりも先を行っている部分も多く、スマートフォンサイト構築には、将来のWebサイトのインターフェースデザインの潮流に繋がるノウハウが多く詰まっていると確信しています。そのため、会社としてスマートフォンは是非とも力を入れていきたい領域であるという思いがあり、SMARTPHONE WORKSに参加させていただきました。
というわけで、SMARTPHONE WORKSの紹介をしながら結局自社アピールに走ってしまいましたが(笑)、スマートフォンに関する求人でお困りの企業様、スマートフォンの仕事に就きたいと考えているクリエイターの方は、是非このSMARTPHONE WORKSを使ってみてください。
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個人目標達成のためのフレームワーク
- 2012-01-23 (月)
- 仕事
当社では毎年1月、「目標シート」なるものの作成を各自行ってもらっています。前年度目標の達成率が年棒に大きく作用するということもありますが、それ以上に、個々人が仕事を通して意味のある成長をするために、毎年必ず設定・見直しをしておかなければならないものと考えています。
この目標シートは、私が勤めていたNTTデータの評価システム、知人の会社での人事評価の実態、自己啓発等の参考書籍、そしてもちろん私自身の経験を踏まえ、フォーマット化したものです。決して画期的なものではありませんが、目標の計画立案を大きく手助けしてくれるツールではないかと思いますので、ここで紹介させていただきます。
目標シートのフォーマット
目標設定シートのフォーマットは、以下のような構造になっています。エクセルのシートもこちらからダウンロードいただけます。(中身は適当に入れた記入例です)
ご覧いただくと分かると思いますが、次年度の目標年収を満たす目標を設定する→その目標を達成するための現在の課題を抽出する→その課題を解決するアクションを計画する、というのが基本的な流れになっています。これを今年の分だけではなく、5年分をまとめて書いていきます。
ミッションの設定
ミッションは、仕事を通じて追及していきたい人生の大目標です。これは毎年変わるものではありません。経済的な目標でなくてもいいですが、今の仕事の仕方に影響を与え、公私において成長をすることで成し遂げられ、かつ自分が本質的に求めているものでなければなりません。簡単に達成できることも、ミッションとしては不適切でしょう。
悪いミッションの設定例)
×)アートディレクターになる。
2~3年で達成できそうなことは、ミッションとしてはふさわしくないしょう。アートディレクターになった後は、どうなるのでしょうか。なんのためにアートディレクターになるのでしょうか。もっと長期間にわたって追求すべき、本質的なミッションの設定が必要でしょう。
×)顧客視点でビジネスを考えられるようになる。
これも同様ですが、なぜ顧客視点でビジネスを考えたいのでしょうか。そうなることで何を実現したいのでしょうか。その答えがミッションであり、これはおそらくミッションを達成するための手段や課題でしょう。
×)周りの人を幸せにする。
このように抽象的すぎて、今の仕事をやっている必然性・関連性も薄く目標を立てにくいものは、ミッションとして不適切でしょう。周りの人を幸せにしたいのは人として当たり前のことです。もう一歩踏み込んで、自分の価値観や生きる意味も含め、今の自分、これからの自分を方向付けるミッションであるのが理想です。
良いミッションの設定例)
〇)ネットに関わる仕事をつづけ、60歳までに1億円貯める
60歳までに1億円という明確な期限と数値目標が設定されており、ネットに関わり続けるという基本的な方向性も定義されているため、具体的な目標に落ちやすく、理想的なミッションの設定例と言えます。
〇)地元に戻って地域を活性化して市長になる
地域や社会に貢献したいという、自分の中に根差した本質的な欲求と連動しており、市長になるという具体的なイメージもあるため非常に良いミッションだと思います。現在の仕事とは直接関連性がないようにも見えますが、今の仕事と社会貢献・地域活性化を直線で結ぶことで、現在の仕事の方向性を決定付けできそうです。
〇)お金をためて家族でハワイに移住して暮らす
自分の夢や理想に直結し、達成にはやや困難と努力を要し、かつ現時点の具体的な目標に落とすことができるので、ミッションとしては理想的と言えます。ハワイに家族で移住するためにはどのくらいのお金が必要か、ということから目標とする年収の設定などもできますし、そのために獲得すべき英語や不動産などの知識は、きっと仕事でも役に立ってくることでしょう。
年収の設定
年収はわかりやすい成功のバロメーターです。収入を上げるということは、会社や事業に利益貢献をすることが前提になります。つまり、個人の年収を上げるための計画が、会社や事業に貢献する計画にもなるわけです。年収の設定基準は人それぞれでこういう金額はダメというものはないですが、ミッションを達成するための年収設定であり、現状維持よりは成長を続ける計画であることが理想的です。
目標の設定
目標は、ミッションの達成により近づくための、各年毎の年次目標です。数は自由ですが、多すぎると焦点が絞りにくくなるため、3~5つぐらいに絞ったほうが良いかもしれません。これは次年度の年収を実現できることを条件とします。年収と関連してきますので、仕事に対する直接的・間接的な貢献が前提となります。ミッションとは関係ないもの、仕事に結び付かないもの、あるいは達成しても貢献度が低いものは、目標としては不適切です。当たり前の目標になる可能性もありますが、個人のミッションに繋がり、仕事にも貢献できるのであれば、問題ありません。それよりも目標と手段がゴチャゴチャになりやすいので、むしろそのことに気を付けましょう。
悪い目標の設定例)
×)人脈を増やす
人脈を増やすこと自体は悪いことではないですが、それが必ず収益性の向上につながるわけではないので(人脈が広がっても顧客にならなければ意味がない)、目標としてはやや弱いです。目標としては「新規顧客の獲得」というくらい、直接的な目標であるべきでしょう。
×)ブログを立ち上げて継続的に更新する
ブログを作ること自体は悪いことではないですが、ミッション、仕事との関連性は希薄で効果が判断しにくい目標です。「業界内での新しいブランドイメージを構築する」を目標とし、「業界向けのWebを使った社会貢献をテーマにしたブログを立ち上げて月間10万PVを狙う」というアクション設定をするのであれば良いかもしれませんが、ブログの立ち上げ自体は目標には相応しくありません。
×)会社サイトのPVを倍にする
会社サイトのPVがアップすることは悪いことではないですが、やはりPVアップ=収益アップに繋がるのか、という点が大きなポイントです。PVがアップしても受注が増えないのであれば、目標を達成する意味はありません。また、あまりにも会社都合ばかりの目標では、達成のためのモチベーション維持が難しくなります。個人ミッションとの関連性もある程度考慮したものが理想的です。
良い目標の設定例)
〇)SEOの高度な知識を身に付け、実践する
Webの仕事でSEOの知識を身に付ければ、クライアントへの提案、自社サービスの販促など、様々な面で直接的に収益に繋がってきます。SEOの知識を活用してセルフブランディングし、個人のミッションに繋げることも可能です。具体的なアクションにも落としやすいですし、理想的な目標設定と言えます。
〇)ビジネストークを極める
ビジネストークは普遍的に活用できる重要なソフトスキルです。これを習得することは、個人のミッションにとっても、会社にとっても大きなメリットとなることでしょう。アクションの範囲が広がり過ぎる懸念はありますが、例えば心理学によるアプローチに焦点を絞り、数年間にわたって設定する目標としてもいいかもしれません。
〇)社内コミュニケーションを活性化する
社内コミュニケーションの活性化自体は直接的に売り上げに繋がるものではありませんが、職場環境が良くなることでストレスなく、周りの人もモチベーション高く働くことができるようになります。また、この目標を達成し、コミュニケーションを活性化できるスキルを身に付ければ、公私にわたって様々な面で役に立つことでしょう。
課題の設定
目標とは、今すぐに実現できないものです。ということは、現時点では、目標を達成するための課題を抱えているということになります。その目標達成の障壁を洗い出すのが、課題の抽出です。ここは目標と対になっている必要はありません。1つの目標に2つ、3つの課題があればそれは全て洗い出し、複数の目標に共通する課題は1つにまとめます。課題に関しては、良い課題、悪い課題というような一般化がしにくいため、ここでは例示は割愛します。
アクションの設定
課題を解決する手段がアクションです。アクションは、常に課題に紐付いたものになります。多くの課題がそうでしょうが、一つのアクションで解決できない場合には、複数のアクションを設定します。アクション設定の最低条件は、期限を切り、数値化し、アウトプットを明確にすることです。期限がなければ後回しになり、数値がなければ実施の基準がなくなり、アウトプットがなければ客観的評価ができなくなるためです。
悪いアクションの設定例)
×)デザインの参考書籍を探す
例えばデザインのスキルアップが課題で、それを解決するためのアクションだとしたら、これは不適切でしょう。なぜなら、探すだけで課題は全く解決しないからです。また、数値目標も期限もアウトプットも設定されていなので、アクションの実施可能性が極めて低く、客観的評価も難しいです。例えば、2年後に一冊探しただけでもアクションのステータスとしては「済」になりますが、それではダメですよね。こういう方向のアクションを立てるのであれば、例えば「1か月以内に参考書籍を100冊ピックアップして優先順位を付けた読書リストを作り、毎月3冊以上読破する」というようなアクションの設定が良いでしょう。
×)1ヶ月に1回、Webマーケティングに関するつぶやきをTwitter上で行う
これは数値目標も期限もアウトプットも明確なので、アクションのフォーマットとしては十分なのですが、問題は内容です。1ヶ月に1回、140文字のつぶやきを投稿するだけというのは、アクションとしてあまりにも弱くないか、という点です。実施規模が小さすぎる、期限が先延ばしになり過ぎる、というアクションはせっかく実施しても、効果が望めない可能性が高いです。現実的に目標を達成するための、十分な数値目標や期限、アプトプットを設定しなければなりません。
×)1か月以内にCMSに関する情報発信ブログを立ち上げて、3か月以内に月間100万PVに到達する。
これも目的がはっきりしててアクションとしては悪くはないのですが、3か月以内に月間100万PVというのは現実的に実施可能なのか、という点が問題です。あまりも困難なアクションは、実際には到達できず、持続することも難しくなるため、アクションの設定としては不適切でしょう。簡単すぎるのも問題ですが、ある程度の努力で実現できそうな、現実的なアクションを設定する必要があります。
良いアクションの設定例)
〇)6月までにiPhoneアプリを公開し、3ヶ月おきにレビューを行って、問題点をチェックシート化する。
例えば「iPhoneアプリのスキルとノウハウがない」という課題があれば、これは非常に有効なアクションとして機能するでしょう。期限(6月まで)と数値目標(3か月おき)とアウトプット(チェックシート)が明確で、実施にあたっての無理がないからです。ではどういうアプリを作るのか、どういう内容のレビューにするのか、という派生する課題は今後詰めなければなりませんが、年間計画に記載されるアクションとしては、まずはこれで十分でしょう。
〇)Facebookのフレンドを今年中に500人にして、1日1回Webに関する情報発信をする。
これも期限(今年中)、数値目標(1日1回)、アウトプット(Webに関する情報発信)が明確で非常にいいアクションです。情報収集の手間は少しかかりますが、実施にあたっての負荷が軽いというのも、アクションとしては優れていると思います。
〇)週末は必ず外食をし、紹介記事をブログにまとめる。
例えば「文章力がない」という課題に対しての場合。これはプライベートとの境界線があいまいですが、楽しみながら実施できるアクションは実行可能性が高く、理想的なアクションと言えます。またこのアクションには期限設定がないですが、継続的にずっと続けていくものであれば、あえて期限はなくても大丈夫でしょう。
5か年計画にする
当社の目標シートでは、今年分の目標をまとめるだけでなく、5年先の目標を書くようにしています。もちろん、未来になればなるほど課題やアクションは曖昧になり、実施可能性などは推測しにくくなると思いますが、それはそれとして、一旦5年分を書いてもらいます。というのも、単年度の設定だけでは、場当たり的な目標やアクションなってしまうからです。2年後、3年後、5年後にやるべきことをある程度考えていればこそ、今年やるべきことの優先度や方向性が見えてきます。また、あらかじめ計画を書いておけば、その翌年になった時の、計画の継続や変更の判断も的確で容易なものになります。最初は一気に5年分書くことになるので大変なのですが、翌年以降は基本的にアップデートだけになりますので、まずはがんばって書いてもらうことにしています。
大切なのは、やるべきことを明確にして意識すること
さて、こういう目標シートを設定して実際の効果のほどは?というところが、一番気になるなところでしょう。
ここからは私の個人的な経験になりますが、28歳の時にNTTデータを辞めてWeb業界のWebデザイナーに転職しようとした時、35歳の時に独立してフリーランスになろうとした時、自社サービスを立ち上げようとした時、いずれの時も、フォーマットは全く違いますが、似たような目標シートを作りました。結果からいうと全てのアクションをきちっと実施したわけではありません。中にはまったく実施しなかったものもありました。ただし最終的には、見切り発車なところがあったり(転職)、用意すべきものがすべて揃ってなかったり(独立)、開始時期が遅れたり(自社サービス)しつつも、いずれも目標の達成には漕ぎ着けることができました。私よりも意志が強く優秀な方であれば、もっと早い段階で大きな成果を生み出すのだろうな、などとも思います。
目標達成はもちろん大事で絶対達成するという強い意志を持つことは必須条件ですが、自分の計画を文書化することで今やるべきことが明確になり、意識が高まるというのが、最初の一歩としてなによりも大切です。ミッションなどは、数日考えてすぐにこれがいい、と決められるものではありませんが、毎年自分のミッションはなんなのかと考えていけば、5年後には見つかるかもしれません。環境が変わってミッションを軌道修正しなければならないときも、自分の価値観が定まっていれば、より適切な軌道修正ができるでしょう。少なくとも、ただ日々の仕事の忙しさに追われて何も考えずに生きていくよりは、遙かに充実した人生を送る確率が上がります。また、自分が先輩や管理者になった時には、こういった目標達成の手段が、部下や後輩の教育にも役立ってくるでしょう。
それぞれのフォーマット、やり方で構わないと思いますが、大きな目標がある、今の自分を変えたい、目標に向かって有意義に仕事をしていきたい、自分が働く意義を見つけたい、と考えているのであれば、是非このように目標と計画を可視化・文書化してみることをおすすめします。
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Web制作をやってて、老後を安心して過ごせる貯蓄ができるのか?
年始の社内打ち合わせで、会社の目標と各自の人生計画は繋がっているべきだ、という話をみんなで行いました。その中で特にこのテーマについて盛り上がったので、ブログにまとめてみました。
老後に必要なお金と年金について考えてみる
あなたは、いくら貯金があれば、安心して老後を暮らせますか?
私はファイナンシャルプランナーではないので、詳細は各自お調べていただくとして、様々な話をざっと総合すると、以下のような試算にまとめられます。条件としては、60歳で引退し、60歳から85歳まで夫婦で生きると仮定し、子育ては終わってて、家は持っている(ローンの返済は終わっている)場合です。
なんだか、思ったよりたくさん貯金していないと厳しそうですね。しかし安心してください。わが国には年金という制度があります。年金の受給額は人によって異なるので詳細はこちらも各自お調べいただくとして、現行制度を元に少し多めに、だいたい各自20万円/月ほどが65歳から支給されると仮定します。これを85歳まで夫婦でもらえるとすると、以下のような金額が年金として支給されることになります。
65歳まで持ちこたえれば、贅沢はできないけど、不安を感じない生活ができそうな金額ですね。
しかし残念ながら、少子高齢化がさらに加速する中で、年金制度は我々が引退する頃には相当変わっていることは間違いありません。現行の年金制度をベースに考えるのはかなりリスキーです。さらに厚生年金や国民年金の支払いが途絶えたことがある方は、そもそも満額もらえません。そういう諸々の条件を考慮し、年金の支給が70歳からになり、1人あたり月10万円の支給になってしまうと仮定すると、85歳までに手に入れられる年金額は以下のようになります。
一気に厳しくなりましたね。2,400万円貯金してる程度だったら、ギリギリの生活です。少し贅沢をしながら過ごしたいのであれば、約9,000万円ほどの貯金がなくてはなりません。
老後に影響するポジティブな要因、ネガティブな要因
もちろん、60歳以降のギリギリ生活を回避してくれる、ポジティブ要因もいろいろあります。
- 年金制度はそんなには悪くならない(そうなればうれしいです)
- 今のまま60歳まで勤めれば退職金がかなりもらえる(とてもいい会社ですね)
- 資産運用がうまく行く(資産運用の知識が豊富なら見込みあるかも)
- 親の遺産が期待できる(親がお金持ちなら大丈夫)
- 60歳以上でも第一線で働ける(心身ともに健康で、ユニクロの柳井さんみたいになれば問題ナシ)
- 配偶者の生涯収入がかなりある(あなたが男なら、奥さんにもがっつり働いてもらいましょう)
- 子供が大金持ちになって仕送りしてくれる(エリート教育に全精力をかけるべきです)
- 宝くじが当たる(毎回確実に買い続けましょう)
- そもそも現時点でかなり貯金がある(おそらくこの記事を読む必要はないでしょう・・・)
- 結局国が何とかしてくれるはず(さすが先進国日本)
しかし一方で、安心の老後計画を脅かす、ネガティブ要因も多々あることを忘れてはいけません。
- 年金制度がさらに厳しいものになる(月5万とか・・・)
- 日本経済の破綻もしくはそれに近い状況(インフレ、大増税、失業)
- 60歳以前に大幅減収もしくは引退を余儀なくされる(失業問題と絡んできますね)
- 保険適応外の大きな病気にかかってしまう(保険の掛け方次第ではリスク減も可能)
- 85歳以上長生きしてしまう(病気しながら長生きするとさらに辛い・・・)
自分が望む老後のイメージから、年収計画を立てる
このようなポジティブ要因、ネガティブ要因を考えたうえで、あなたなら、60歳の段階でいくらお金を持っていれば安心できるでしょうか?
例えば、老後は少し贅沢をしながら生きることを望むとして、年金制度への期待を低めに設定し、会社の退職金も親の遺産も資産運用も配偶者の収入もできるだけアテにせず、日本破綻とかの最悪の自体は回避できると踏んだ場合だと、60歳の段階で、7,000~9,000万円くらいの貯金は最低必要になります。
では、8,000万円必要だと仮定して、8,000万円貯めるには、毎年どのくらい貯金しなければならないでしょうか。あなたが年齢30歳で、現時点で貯金が500万円あるとすると、残り7,500万円。これを30年間で貯めるとすると、年間250万円の貯金が必要になります。では今後の人生の中で、年平均250万円貯金するためには、平均年収はいくらでなければならないでしょうか。
Web制作に従事するあなたの年収が今現在500万円だとすると、+250万円で750万円を目指せばいい、というわけではありません。なぜなら収入が上がれば、税金も上がっていくためです。必要なのは見た目上の年収ではなく現金です。手取りで750万円が必要であれば、おそらく額面1,000万円近い年収が必要でしょう。
さて、今年収1,000万円ある人は、それをこれから30年間維持すればいいでしょう。しかし、今年収1,000万円に到達していない人は、今後の人生の中でどこかでそこに到達し、さらにロスしている期間分を取り返していかなければなりません。つまり、年間1,200万円、1,500万円、といったレベルに到達しなければ、少なくとも少し贅沢をしながら生きるという計画は達成できません。しかし、人には老化による思考力、直感力の低下が必ずやってきます。終身雇用&年功序列が遠い昔となった現在、30年間ずっと同じ年収という平坦な計画や、60歳までずっと同じペースで上がり続ける計画は、はたして現実的でしょうか。もし現実的でないのなら、できるだけ前倒しで計画を実現しなければなりませんね。
もう一つ考え方があります。老後の生活レベルを落とすという考え方です。生活レベルを落すだけで済むのであれば、それも賢明な選択です。しかし、もしも現在の年収が500万円で、今後も今の仕事を続ける限り、最高で年収800万円くらいしか見込めないとしたら、生活レベルが少し落ちる程度ではなく、いつもお金のことを考えて生活するギリギリの老後がやってきます。その時点で家のローンが返せていなかったりしたら、最悪破綻するかもしれません。
目標年収から、今あるべき目標が見えてくる
お金がすべてではありませんし、老後をどう暮らすかは人それぞれです。保険などでリスクを軽減する手段もあります。しかし問題は、本当に今のWeb制作という業界の給与・収入体系のままで仕事をし続けていて、自分が将来望む人生の計画が立てられるのか?ということです。Web業界の平均的なところ、あるいはそこよりちょっと上のところを目指して満足するのではなく、もっと上を目指してがんばらないとまずいのでは?ということです。
もしもあなたのいる会社の上司や先輩に(できればオーナーや社長以外で)、年収1,000万円~1,500万円クラスの人がいるとしたら、少し安心です。あなたはその人と同じか、それを超えるレベルの地位に到達し、それをできるだけ長く続ければいいわけです。具体的な成功事例は指標として非常に分かりやすいです。さて、今のあなたの社内での目標は、その人のレベルに近づいていく目標になっているでしょうか。
もしあなたのいる会社に、年収1,000万円~1,500万円クラスの先輩がいないのなら、少しベンチャーな気持ちが必要になってくるでしょう。あなたが会社に貢献して、あなた自身がそういう人にならなければなりません。あるいは転職するか、起業するかなどして、別の道をたどるべきなのかもしれません。あなたが今年立てた目標は、そういう計画に沿ったものになっているでしょうか。
もし既に独立・起業をしているが、とても30年に渡って平均年収1,000万円~1,500万円は達成できないのであれば、老後を余裕をもって暮らすために、Web制作の価値をもっと高めて収益性を増大させるか、ビジネスモデルを変える必要があるでしょう。今あなたがやっているあなたの大好きな仕事には、そういう目標に繋がる具体的な収入計画があるでしょうか。
将来につながる、今年の抱負
人によって前提条件が大きく異なり、さらに様々な仮定が複雑に絡まり合うため、選択は人それぞれになるでしょう。ただし、今のあなたの目標が、本当にあなたが望む安心した未来を導く可能性のあるものなのかは、しっかりと考えておくに越したことはありません。好きなことを仕事にできているからいい、自分には夢がある、ひとまず評価されている、頼りにされている、プライドを持って仕事ができている、という考えだけで、あなたの人生は精神的に満たされるかもしれませんが、将来、あなたの家族を経済的に不幸にしてしまうかもしれません。
自分や家族の人生を不幸にするリスクを少しでも低くしたいのであれば、今の目標を人生設計に合わせたものに見直し、そこに繋がる可能性の高いタスクから優先的に実行していくべきです。社会人なら誰しもが心に抱く「2012年の抱負」は、その優先的なタスクの実行計画であるべきではないでしょうか。
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2011年リリースの洋楽アルバムBEST20を選んでみました
わが社ではMEGAROCKなる洋楽専門のWebサービスをやっていますが、当然ながら、私自身が音楽を聴くのが大好きです。特に好きなジャンルはロックで、洋楽に拘っているわけではないのですが、購入するアルバムの9割は洋楽です。あらためてiTunesを覗いてみると、今年は454枚のアルバムがインポートされ、そのうち今年リリースのアルバムは約116枚でした。というわけで、その中でも特に愛聴した作品20枚を、ここでご紹介しようと思います。どれも自信を持ってオススメできる作品ばかりなので、興味を持ったのがあれば是非聴いてみてください。
第20位 Mogwai 『Hardcore Will Never Die,But You Will』

もはや説明の必要がないグラスゴーの轟音ポストロックバンドの7th。アルバムタイトルと音のイメージに乖離があることが多いMogwaiだが、本作も過激なタイトルと相反するポップな作品に仕上がっている。急激な変化というよりはここ数作続いているMogwai流ポップネスをさらに押し進めたという印象で、新機軸として話題になったデジタルビートも、俄然存在感を増しているキーボードも、今までのイメージを大きく覆すものではなく、新しいアクセントとして機能しているレベルのものだ。かつてのMogwaiの魅力であった轟音はほぼ鳴りを潜めているが、独特の浮遊感や構築感は健在。自ら築き上げた個性を生かしながら、また少し新たな一面を見せてくれるこのまとめ上げ方はさすがの一言。
[PV] “White Noise”
第19位 Alex Clare 『The Lateness Of The Hour』

M.I.A.の”Paper Plane”のプロデュースなどでも有名なクラブ・ミュージック・プロデューサーSwitchとDiploが送り出したロンドン在住のシンガーソングライターの1st。流行りのダブステップをベースに、ソウルミュージックでコッテリと味付けしたスタイルは「ソウルステップ」などとも言われているらしい。Mutemathにも似た艶のある力強い声と情感漂うクサ目のメロディがなによりも素晴らしい。凝ったサウンドテクスチャーと美メロのアンサンブルで聴かせるという意味では、なんとなくHurtsに似ていなくもない。それはともかく、今風のデジタルなサウンドテクスチャーでデコレートされたハイクオリティな歌物ソウルミュージックが楽しめる逸品。
[PV] “Too Close”
第18位 Simple Plan 『Get Your Heart On!』

カナダのポップ・パンクバンドの4th。歪さや不完全さこそを魅力とするロックやパンクの文脈では、本作の破綻のない楽曲やアルバム構成は非ロックということになるのかもしれない。しかし、これをポップの文脈で捉えてみると、一部の隙もない完成度の高さが光り輝いて見える。楽曲のバラエティはかつてなく豊かで、お得意のポップ・パンクナンバーやファストチューン、バラード以外に、デジタル・ロックやレゲエ調のナンバーまで盛り込まれているが、そのすべてがSimple Planのテイストに塗り替えられ、アルバムの中で調和しあいながら絶妙な起伏を与えている。Simple Planにとってパンクというのは、彼らが理想とするポップネスを具現化するための要素の一つであって、彼らの本質は極めて実直なポップマイスターということを証明した一枚。
[PV] “Jet Lag ft. Natasha Bedingfield”
第17位 Rise Against 『Endgame』

シカゴのベテラン・パンクバンドの6th。基本はRancidあたりを洗練化させた男の哀愁パンクである。エッジの効いた分厚いギターリフはハードロックっぽくもあり、『So Long, Astoria』のThe Atarisや近年のMillencollinに似たタイプと言える。非常にストレートなロックで特に変わったことは全くしてないのだが、疾走感だけで一本調子に押してくるようなことはなく、各楽曲に絶妙な緩急とバリエーションを織り交ぜた職人的な曲作りの巧みさに唸らずにはいれない。特にメロディの切り返しのセンスがただ者ではなく、例えばオープニングの”Architects”のサビメロの展開を始めて聴かされた時には思わず拳を握ってしまった。パンクのジャンルを超えて支持されるべき普遍的な魅力を持ったロックアルバムで、ビルボード初登場3位というのも納得である。
[PV] “Make It Stop(September’s Children)”
第16位 Patrick Stump 『Soul Punk』

Fall Out Boyのフロントマン、パトリック・スタンプのソロアルバム第一弾。Fall Out Boyというキャリアと『Soul Punk』というアルバムタイトルに反し、パンクの要素は味付け程度に過ぎず、過剰にトラックを重ねてデコレートされた音像自体はむしろOwl Cityあたりのエレクトロニカに近い。しかし本作の一番の影響源はマイケルとプリンスだろう。Fall Out Boyもマイケルの”Beat It”をカバーしていたが、そういったパトリックの80年代ソウル/ポップ趣味を思う存分ぶちまけたのがこのアルバムの本質だろう。正直、音の重ね過ぎでややうるさく感じたり、アルバムの流れに荒削りな部分は感じたりはするのだが、切れ味鋭いリズムとグルーヴに彩られたキャッチーなダンス・ロックは、そういったネガティブな要素を補って余りある痛快さに満ちている。
[PV] “Spotlight(Oh Nostalgia)”
第15位 M83 『Hurry Up, We’re Dreaming.』

ベテランの域に達しつつあるフランス発エレクトロ・ユニットM83の6作目。夢をテーマにした全22曲、CDでは2枚組という気合の入った大作。シューゲイザー+エレクトロニカという彼らの基本路線はほぼ不動ながら、いつもよりもディスコテックな曲やドリーミーな曲が多く、アルバム全編を通して明るくポジティブな印象が強い。こういたタイプのアーティストは全体の雰囲気でアトモスフェリックに聴かせることも多いが、どれだけサウンドに工夫を凝らしても明快な歌メロをしっかり聴かせてくれるのが彼ららしい。全22曲というボリュームながら、どの曲もしっかりと作り込まれているため、聴いていて中弛みすることもなく一気に聴ける。M83というのは星雲の名前なのだが、まさに星雲の様な美しくまばゆい光を放ちながら夢見心地にさせてくれる一枚である。
[PV] “Midnight City”
第14位 Foo Fighters 『Wasting Light』

Foo Fightersはずっと好きなアーティストだったが、アルバム内の曲のばらつきが大きく、一撃必殺のキラーチューンと退屈な楽曲が常に混在していたのが不満だった。しかし本作においてこの構造は逆転していて、過去の名曲群に匹敵するキラーチューンがない代わりに楽曲のムラがなくなっている。結果、個人的にはもっとも聴きこんだアルバムとなった。ハードコアなナンバーからミディアムナンバーまでアルバム内のバラエティも豊かで、どの曲にもやや強めのフックがあることから、バンドの本質であるロックのど真ん中を貫く王道ロックを無心になって楽しむことができる。”Everlong”や”All My Life”、”The Pritender”のような名曲がないのは確かだが、これは間違いなくフーファイの最高傑作アルバム。
[PV] “Rope”
第13位 Coldplay 『Mylo Xyloto』

相変わらずの貫録を見せつけてくれたColdplayの新作。実は前作『Viva La Vida』はその完成度の高さとは裏腹に気持ちが入り込めない感じがしたのだが、本作はそのあたりもクリアし、自分の中で順当にヘヴィロテ入りを果たした作品だった。初期Coldplayの影が既にないのは当然としても、ここまで多幸感あふれるエレクトロサウンドに傾倒したのはやや驚きだったが、スタイルは変われど、遍く人を魅了するポップミュージックを生み出すセンスはやはり変わらない。フジロックでも披露していた” Charlie Brown”や” Every Teardrop Is a Waterfall”といった近年のColdplayらしいポジティブナンバーを差し置いて、実はリアーナをフューチャリングした” Princess of China”が一番のお気に入り。このスケール感はほんとに感動的。
[PV] “Every Teardrop Is A Waterfall”
第12位 The Cab 『Symphony Soldier』

ラスベガス出身の新世代エモバンドの2nd。デビュー作はエモにファンク、ヒップホップ、R&B、ソウルなどのブラックミュージックが絶妙なバランスでブレンドされていた傑作だったが、より普遍的なアメリカン・エモに変貌した本作は、それに比べると個性やインパクトの減退感は否めない。またメンバーが3人となり、Fueled By Ramenからはドロップし、自主制作でのリリースとなるなど、バンド活動の縮小傾向も気になるところ。しかしながら楽曲自体の魅力は揺るぐことはなく、メロディメイカーとしての才能は本作でもいかんなく発揮されている。1曲目の” Angel With A Shotgun”から愁いを帯びた絶品エモが炸裂するさすがの一枚。前述のとおり自主制作のため日本国内での正規の流通ルートに乗ってきてないのがなんとも悔やまれる。
[Audio] “Angel With A Shotgun”
第11位 Times Of Grace 『The Hymn Of A Broken Man』

Killswitch Engageのギタリスト、アダム・デュトキエヴィッチが、元KsEのジェシー・リーチをヴォーカルに迎えて結成されたプロジェクト。KsE同様のエクストリーム・ヘヴィメタルではあるが、哀愁のメロディが大幅に増量され、極めてドラマティックに仕上がっている。ジェシーのヴォーカルは絶叫を尽くしても悲哀の旋律とは不可分で、アダムの描くリフやイントロ、ソロもキャッチーと、KsEのようなメタルコア的雰囲気は希薄である。何気にMachine Headの新作にも近い気がするが、こちらの方が楽曲はコンパクトで粒ぞろいだ。オープニングの” Strength In Numbers”からしてバキバキのメタルリフと大地を揺らすスクリームが楽しめる悶絶モノの名曲で、その後も素晴らしい曲が息つく間も与えず展開する。ソロプロジェクトでこれをやられてしまっては、現KsEのメンバーたちもたまったものではないだろう、と余計な心配さえ過ってしまう充実のソロプロジェクト。
第10位 Sigur Ros 『Inni』

Sigur Rosのライブ作品といえばなんといってもアイスランドの美しい風景とともに収められた『Heima』が素晴らしいのだが、音源としての初リリースとなる本作もやはりいい。様々なサウンドをコラージュの様に重ね合わせて端正に作り上げられるスタジオ作と違い、ライブでのSigur Rosの魅力といえば静と動のコントラストがよりダイナミックに鳴り響く点だ。そのライブの魅力の一端が本作でも十分にうかがえる。ライブ音源ならではの粒の荒い音像や生身の人間によるエモーショナルな演奏が、神々しい美しさの内に潜む獰猛さと狂気を露わにしている。『残響』に伴う来日公演がヨンシーの喉の不調で不完全燃焼気味だっただけに、次の再来日が本当に待ち遠しくなる作品である。
[live] “Glosoli(live)”
第9位 The Roots 『Undun』

ヒップホップには珍しいバンド編成で、何気にこれが10作目となる結構キャリアの長いアーティスト。バンド演奏を中心にしている故に、昨今のヒップホップにありがちなギラギラとしたエレクトリカルな印象はほとんどなく、生っぽいオーガニックな音像で落ち着いた大人のヒップホップに仕上がっている。深みのある声で展開されるクセのないラップからは、高揚感や緊張感より、安心感・幸福感を強く感じる。リードシングルの” Make My”の素晴らしさはもとより、” One Time”、” I Remember”といった曲も甲乙つけがたい名曲だ。もちろんその他の楽曲も充実しており、捨て曲は見当たらない。派手さがない分、これからも長く付き合っていけそうな作品である。
[PV] “Make My”
第8位 Sixx:A.M. 『This Is Gonna Hurt』

Motley Crueのニッキー・シックスのソロプロジェクトの2nd。モトリーのような80′sスタイルのメタルではなく、オルタナティブを通過した90年代以降のハードロックである。曲の充実度がハンパなく、極上の楽曲が終盤までギッシリ並んでいる。特にお気に入りなのは”Are You With Me”、”Live Forever”、”Help Is On The Way”、”Oh My God”あたりだが、この4曲に限らず聴きどころは多い。ニッキーのソングライティングはもちろんのこと、DJアシュバの艶のあるギターワーク、ジェイムズ・マイケルの伸びやかで男らしさと哀愁を感じさせるヴォーカルも見事で、非の打ちどころが全くない。最近のパッとしないモトリーなんか辞めちゃってこっちに専念すればいいのに、という無責任なことを思ってしまう快作である。
[PV] “This Is Gonna Hurt”
第7位 The Antlers 『Burst Apart』

ブルックリンのインディーバンドの4作目。『Kid A』以降のRadioheadを思い起こさせる、デジタルサウンドを重ね合わせたゆったりした浮遊感のあるポストロック/シューゲイザー/エレクトロニカ的な音像を、抒情的でドリーミーな方向に振り切ったような作風。例えるならKyte meet Beach Houseといったところか。実験的なサウンドコラージュは耽美的で美しさを演出する舞台装置であり、全体的にメロディが引き立つ方向にサウンドが設計されているため、難解さはあまり感じない。しばし挟まれる女性ヴォーカルもポップさを強調している。とにかくこのメロディの美しさが白眉で、油断しているとその美しい旋律の渦の中で心地よく聴き溺れてしまいそうだ。日本での知名度がそこはかとなく低い気がするが、これはすごく日本人好みの音ではないだろうか。
[PV] “Every Night My Teeth Are Falling Out”
第6位 Friendly Fires 『Pala』

名曲”Paris”を擁するデビュー作で大きな話題をさらった英国ダンスロックバンドの2nd。入念に構築されたサウンドアレンジはより精緻さを増し、楽曲展開もより凝ったものとなって、キラキラと光り輝くポップなダンスチューンにさらなる奥行きを与えている。オープニングの”Live Those Days Tonight”のアッパーな疾走感から一転、”Blue Cassette”の多幸感溢れるムードに支配された時点で、彼らの2ndアルバムが大成功に仕上がったことを実感するだろう。もちろんその勢いはオープニングにとどまらない。” Hawaiian Air”、”Pull Me Back To Earth”、” Helpless”といった個人的なフェイバリットをあげるまでもなく、アルバム終盤まで聴きどころは満載だ。ブライテストホープが順調に進化・深化を遂げた2ndアルバムの理想形である。
[PV] “Hurting”
第5位 Wilco 『The Whole Love』

アメリカン・オルタナカントリーの雄Wilcoの8作目。終盤の攻撃的なギターソロが印象的な冒頭の” Art Of Almost”にいきなり驚かされるが、この曲は本作では異質な部類に入る。カントリーとインディーロックの美味しいところをうまく取り入れたポップで美しいメロディと、一音一音を大切にしたような丁寧なサウンドメイキングで、非常に聴きやすいアルバムに仕上がっている。過去作で見られたような実験的な面はほとんどなく、また派手というよりむしろ素朴という言葉がよく似合う。バラエティはかなり豊かだが散らかったような印象は決してなく、この曲はいいな、うん、この曲もいい、などと考えているうちにあっという間に最後の曲まで導かれてしまう。これだけ振り幅の広い楽曲を揃えながら、そのクオリティにまったくムラがないのが驚きである。これもひとえにWilcoというバンドが持つ底なしの才能故のことなのだろう。
[PV] “Born Alone”
第4位 Death Cab For Cutie 『Codes And Keys』

USインディーロックの至宝Death Cab For Cutie通算7枚目。作風としては『Plans』『Narrow Stairs』の正常進化型といっていいだろう。メロディやフレーズを丹念に組み上げながら曲の魅力を精緻に浮き彫るような、宝石のように磨きこまれた楽曲が整然と並んでいるいつものデスキャブのアルバム。リスナーの耳を強引に抉じ開けるような派手さや押しの強さはないが、音楽に真摯に向き合えば心の深いところにしっかりと突き刺さってくる。一方、不思議と過去の楽曲に類似するようなパターン感やマンネリ感はなく、例えば”Unobstructed Views”のような実験的なテイストを織り交ぜるなどして、リスナーを飽きさせない新機軸もさりげなく盛り込まれている。ベテランの職人的センスがいかんなく発揮されたさすがの作品。
[PV] “You Are A Tourist”
第3位 Foster The People 『Torches』

今年スマッシュヒットを放ったアメリカン・インディーロックの新星のデビュー作。彼らの音を表現するのにMGMTがよく引き合いに出されているが、あえていえばMGMTの”Kids”の方向性を煮詰めてさらにポップに振り切ったような作風である。ようするにエレクトロな味付けが強いポップなディスコ・ロックということで強烈な個性はないのだが、ヒットした” Pumped Up Kicks”のみならず、全ての楽曲の完成度が異常に高く、一度聴きだすとずっと聴きつづけたくなる、麻薬のような魅力を秘めている。心地よいグルーヴやキャッチーなコーラスワークなど、聴いているうちにハッピーになるようなフレーズが満載で、ポップミュージックとしての機能性は最高水準だ。本作がデビュー作であることを考えるとなんとも末恐ろしい。
[PV] “Pumped Up Kicks”
第2位 Adele 『21』

2011年に世界で一番売れたアルバム。セールス面ではThe Beatles以来の記録的な快挙を打ち立てて、グラミーをはじめとする賞レースでの圧倒的な成績が予想される、2011年の音楽シーンを席巻しまくった歴史的作品。改めてここでその素晴らしさを説明する意味はないのだが、しかしそれでもやはりこのアルバムを避けるわけにはいかない、というほどにこのアルバムは聴き倒した。ライブもあまり行わず、セールスを後押しするようなプライベートなゴシップもほとんどない本作がこれだけの成功を収めたのは、作品の強度、各曲の訴求力が突き抜けていたからだろう。派手な装飾を排したシンプルでストイックな音づくりがアデルの唯一無二のハスキーヴォイスと、楽曲の魅力を200%引き出している。アルバム収録の全ての曲が珠玉の名曲という、誰もが認めざるを得ない2011年を代表する一枚。
第1位 Bon Iver 『Bon Iver』

アデル同様、今年になって大ブレイクを果たし、本作も様々なメディアで絶賛され、やはりグラミー賞にもノミネートされているジャスティン・ヴァーノンのプロジェクトBon Iver。挫折と失恋で失意のどん底にあったジャスティンが雪深い小屋に籠って制作したというエピソードがそのまま音になったような、底しれぬ悲しみを湛えながらも透き通るように美しい作品。ジャンル的にはフォークに分類されているが、全体的にポストロック的なアプローチが目立ち、「アメリカのSigur Ros」という表現もあながち外れてはいない。どの曲もため息が出るほどの美しさで、悲しい感情を丁寧に紡いだようなファルセットと繊細でドラマティックなサウンドは、涙なしでは聴けない。順当すぎるセレクトに我ながらやや恥ずかしいが、やはりどう考えても本作が今年のベストだ。
[PV] “Holocene”
最後に、TOP20には漏れたけど、なかなか良かった「次点」のアルバムをご紹介。
Anthrax 『Worship Music』
Bad Habit 『Atmosphere』
Battles 『Gloss Drop』
Clare Maguire 『Light After Dark』
Daughtry 『Break The Spell』
Emmy the Great 『Virtue』
Feist 『Metals』
Florence + The Machine 『Ceremonials』
Gang Gang Dance 『Eye Contact』
James Blake 『James Blake』
James Blake 『Enough Thunder』
Journey 『Eclipse』
Lady Gaga 『Born This Way』
Machine Head 『Unto The Locust』
Mutemath 『Odd Soul』
Nickelback 『Here And Now』
Noel Gallagher’s High Flying Birds 『Noel Gallagher’s High Flying Birds』
Remember Remember 『The Quickening』
Skrillex 『More Monsters and Sprites EP』
Slow Club 『Paradise』
St. Vincent 『Strange Mercy』
Switchfoot 『Vice Verses』
Tim Christensen And The Damn Crystals 『Tim Christensen And The Damn Crystals』
Washed Out 『Within and Without』
Wild Beasts 『Smother』
Worm Is Green 『Glow』
というわけで、来年もいい作品に巡り合えますように。
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株式会社ベイジのオフィスはこんな感じです。
たまにはうちのオフィスの紹介でも。

うちのオフィスは下北沢西口から徒歩1~2分。賑やかな商店街から脇道に入った閑静な住宅街に、ひっそりと佇むマンションの一室にあります。
マンションの外観はこんな感じ。

これはマンションの入り口。マンションのデザインは全体的にヨーロピアン調。結婚式用のゲストハウスのデザインなどをされたデザイナーさんが手がけたそうです。
マンションの入り口をくぐりぬけると、すぐに下へと続く階段があります。この階段を下りた目の前がわがオフィスです。
オフィスの扉です。「baigie」のシールが目印。
扉を開けるとこんな風景が広がっています。目の前がミーティングルーム。ガラス越しに右手にあるのがワークスペースです。ミーティングルームの照明、机、イス、ラグなどは全てACTUSで揃えました。ちなみに社内は土足厳禁なので、入り口で靴を脱いもらいます。
部屋の入り口から、ワークスペースの方を見た感じ。弊社ディレクターがもりもり仕事中。
ミーティングルームを奥に進んでみます。右のドアはトイレと倉庫に繋がってて、正面に暖炉、左手に階段があります。
「上の階もあるんですか?」とよく聞かれるのですが、実はこの階段の上は行き止まりです。もともとは1つに繋がっていたのですが、現在は上の階とは完全に仕切られています。ちなみの上の階はとてもおしゃれなバーになっています。一度行ってみたい、と思いつつまだ行けてません・・・。
暖炉はインテリアではなく、本当に使えます。節電の冬にはまさにうってつけの暖房設備ですが、使い方が分からず、メンテナンス方法にも自信がなく、こちらも未だ使っておりません・・・。本気で使うとエアコンがいらなくなるくらい部屋が暖かくなるそうです。
暖炉の方から入り口の方を向いてみたところ。小さい会社なので、そんなに物は置いてないです。EIZOのテレビは既に生産中止になっているものです。テレビは買ってみたもののあんまり使わず・・・。3月の地震の時が一番活躍した気がします。
社内打ち合わせの風景。自社サービスとして開発中のアプリのロゴを打ち合わせしている最中です。弊社デザイナーが、ロゴ案をプレゼンしています。
ミーティングルームからワークスペースを眺めたところ。ちょうどお昼休み中で、机の上があんまり片付いてないですが、いつもはもうちょっとキレイです(笑)。棚がいっぱいあるので、もう少し資料などを揃えていきたいです。
机はこんな感じ。横幅150cm、奥行き75cmくらいで、ゆったりと仕事ができます。イスはKnoll社のチャドウィック・チェアー。デザイナーのドン・チャドウィックは、アーロン・チェアのデザイナーの一人です。PCはDELL。弊社の開発環境はWindows7、Officeは2010、Adobe製品はCS5で統一しています。Webデザインの制作環境というとWin派とMac派に分かれますが、うちは断固Win派です。
ワークスペースからミーティングルーム方面を眺めてみたところ。半地下なので日光はそれほど入ってこないのですが、天気のいい日は階段の上からやわらかい光が差し込んできます。
室内2か所にあるBOSEのスピーカー。アンプはAirMac経由で各々のPCと繋がっていて、iTunesで音楽をかけるとスピーカーから音が出るようになっています。この機能を使い、うちの会社では音楽当番というものを決めて、自分の好きな音楽をBGMとしてかけることができるようにしています。ちなみに年に3回ほど、一日中オフィスで好きな音楽をかけて音楽のことだけを語り合う「サミット」なるものも開催されます。
というわけで、お近くにお越しの際には、是非お立ち寄りください。
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『MOREWORKS』への掲載を開始しました
- 2011-12-13 (火)
- お知らせ
「人は城、人は石垣、人は堀」とは、武田信玄がまとめた軍学書「甲陽軍鑑」に書かれている有名な言葉ですが、時代が変わって舞台を戦場からビジネスに移しても通用する普遍的なメッセージだな、と改めて実感します。特に私たちのような専門的なスキルをベースにした労働集約型の小規模なビジネスの場合、人そのものが持つパワーが経営や売り上げに直結してきます。
と、随分と大きな話から入ってしまいましたが、弊社も例外なく、事業拡大のためには人のさらなる充実が不可欠です。お陰様で、お仕事はありがたいほどの量をいただいているのですが、社内リソースの不足から、魅力的な案件も泣く泣くお断りするというケースが続いています。その状況を改善するために、昨日より、Webクリエイターのための求人情報サイト『MOREWORKS』への掲載を開始しました。
弊社はWebビジネスの本質的な部分の改善・解決を目的として活動しているため、単に綺麗なデザインや高度な実装を行うというだけではなく、戦略や企画からプロジェクトに参画できることを強みにしています。小さい会社ではありますが、しかしそれ故に、Webサイトの上流から実装に至るまで、全てのプロセスを濃密に経験できるのが特徴です。また社員同士も仲が良く、アットホームな雰囲気の中で仕事をしています。
これから数年かけて10人ぐらいまでの規模には拡大したいと思っています。まだまだ発展途上ですが、会社と一緒に成長していけるクリエイターの皆様からのご応募を、心からお待ちしています。
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