HTMLコーダーのキャリアに存在する5つの問題点

HTMLコーダーとは、企画や設計、デザインが、ユーザーインターフェースとして完成する直前を担う業務であり、成果物の品質の最終防衛ラインを守る仕事でもあります。HTMLコーダーの能力が、SEOの精度やユーザビリティ、更新性を左右し、Webサイトのパフォーマンスに影響を与えることも少なくありません。

このように、HTMLコーダーはWeb制作における重要な部分を担っているにも関わらず、Web業界の他の職種以上にキャリア面でのリスクが大きいように感じています。その中でも、特に私が強く感じる問題点を、5つにまとめてみました。

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問題点1:分業化が進んでいて、次のステップに行きにくい

最近のWeb制作は分業化が進んでいます。HTMLコーダーも当然、HTMLコーディングに特化して日々の業務を過ごすことが多いと思います。しかし業務の性質上、そこから派生する周辺知識やノウハウを身につける機会が少なくなりがちです。HTMLコーダーの方に話を伺うと、デザイナーやIA、ディレクターへのステップアップを望んでいることが多いですが、HTMLコーディングの業務をしながら、実戦レベルでのデザインやディレクションの能力を身に付けていくことは容易ではありません。結果として、HTMLコーダーという職種の枠から出られず、ステップアップできないという状況に陥っている方も多いのではないでしょうか。

問題点2:量をこなす仕事になりがち

HTMLコーディングの中でも、ベース部分の制作については、論理的かつクリエイティブな思考を求められてきます。一方、ベースのコーディングが済むと、大量生産的な作業に突入していきます。特に大規模な案件ほど、この大量生産に関わっている時間が多くなります。多くのHTMLコーダーにとって、ミスとの戦いがメインとなるこの段階は、作る楽しみよりも苦しみの方が多いのではないでしょうか。もちろんどんな職種でもそういう面はありますが、HTMLコーダーに関しては、この苦しい時間に携わっている時間が多くなりがちだと感じます。

問題点3:市場からの評価が低く、単価が安い

HTMLコーディングに関しては、残念ながら市場からの評価は低いと言わざるを得ません。それはHTMLコーディングの単価の低さに現れています。単価が低いということは、利益が出しにくいということであり、必然的に、HTMLコーダーの給与も低水準に陥りがちです。一方でそれは致し方ない部分もあります。見えないところ、専門的で理解しにくいところに企業がお金を出さないのは、ごく自然な市場原理です。さらに最近は、HTMLコーディングを海外で行う流れも進みつつあります。HTMLコーディングの労力に対して、対価はますます見合わなくなる傾向が強まっているといえるでしょう。

問題点4:せっかく培ったノウハウが陳腐化しやすい

Webでは、2〜3年でまったく使わなくなる技術やノウハウがざらにあります。せっかく多くの時間を割いて経験を積んでも、2~3年後には価値を失っている可能性があります。HTML自体はこれからも使われ続ける要素技術ではありますが、デバイスやブラウザへ最適化するための詳細なノウハウについては、似たようなリスクを含んでいます。また、より簡便に実現できるツールやフレームワークの登場で一気に陳腐化するリスクもあります。これを防ぐには、常に新しい技術を身につけていくか、付随する普遍的なスキルを磨いていくしかありません。しかし、既に述べたように業務の性質上、時代の流れを見据えて素早く新しいノウハウを身につけていくというサイクルに、なかなか移りにくいのが実態ではないでしょうか。

問題点5:人脈が増えにくい

社内に籠って作業をするタイプの仕事ですから、必然的に、人脈も増えにくい傾向があります。仕事をしていても、社内のHTMLコーダー、デザイナーやディレクターと出会うだけです。クライアントと会う、あるいは密接な関係を築くなどといったケースは少ないでしょう。このことは、横のつながりが少ない故に業界動向に疎くなりやすく、もし独立を考えても、人脈を活かした営業をすることができない、といったような状況を生み出しています。もちろん人脈は自分自身の努力で切り開いていくものですし、外の人脈に頼らないキャリア形成というのもありますが、働いていれば自然に人脈が増えていく類の職種に比べて、ハンディを背負っている面はあると思います。

まとめ

結局キャリア形成とは自分自身の選択ですから、優秀な方は、上記のような不利な条件を跳ね返す活動を常日頃からしているのでしょう。とはいうものの、同じWeb業界の中でも、HTMLコーダーという職種は、そのキャリア上、不利な条件が多いな、という印象は拭えません。

実は、私たちも今、HTMLコーダーを必要としています。しかし、ただ単にHTMLを作ってもらう人としてではなく、うちの会社で働くことで、新しいキャリアパスが開けるような、そんな採用でありたいと思っています。そのためには、ここに上げたようなリスクを少しでも回避できるような仕事の仕方や、会社の作り方を考えたいと思っています。

そういった気持ちを含めて、弊社のHTMLコーダーの募集要項を少し見直してみました。求めているのは、HTMLコーディングに精通しつつも、ディレクターやデザイナーなどの次のステップを見据えている方、チームの一員として会社を一緒に盛り上げたいと考えている方です

興味を持たれた方は奮ってご応募ください!

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